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「社会課題の解決」って何なのよ議論に終止符を #共に夜明けへ

こんにちは、noteを書くとつい偉そうになってしまうのが悩みの中村タカです。

※2021/9/11追記

#共に夜明けへ -社会課題を解決する事業に最大3000万円を出資します。

2021年の世界も、パンデミックのもと様々な社会課題が顕在化しました。
そんな今、人々はより「夜明け」を切望しています。
私たちは「社会課題を解決したい」「あの人を笑顔にしたい」という熱意や執念は、必ず「誰かの夜明け」となると考えています。
(株)talikiは、想いだけで終わらずに持続可能な課題解決を行えるよう、ダイナミックな資金的・人的サポートを行っています。
「生まれてきてよかった」とより多くの人が思える世界を、私たちと一緒に目指しませんか?

※(追記)2020年12月、社会課題を解決するベンチャーに投資するファンドを組成しました。社会起業家の方、ご連絡お待ちしております!

ところで、「社会課題を解決する」ってそもそもなんなのよ、と思ったことはありませんか?

私たちtalikiは、「(社会構造によって)命を落としたり、死ぬより辛い思いをする絶対数を減らす仕組みをつくる」ということをビジョンとして掲げています。ミッションは「社会課題を解決する人材をエンパワーする」でして、24時間365日、社会課題について思考を巡らせています。

社会課題と聞くと、SDGsのこととか、地球環境とか貧困問題とか、具体例が挙がる方もいるかもしれません。
あとそれに付随してよく使われる「社会起業家」ってなんなのよと。全てのビジネスは何かしらの課題解決なんだから、わざわざ「社会課題を解決する起業家」って言わなくても…という意見もありそうですね。

一方、いわゆる社会課題に取り組んでいる起業家からは「社会起業家と言われたくない。儲からないと言われるから」という声が聞こえたり、とある金融機関の人は「社会課題の解決って儲からないでしょ?」なんて言う場面もあったりします。

実は上記の主張は全部合ってるようで微妙に違います。
皆さん、お気付きでしょうか。この社会課題という言葉はこの世にこんなに溢れていて、誰しもが社会課題にまつわる印象や結果、具体例の話は思い浮かべられるのですが「社会課題=〇〇」という定義を言える人はなかなかいないんです。ちなみに問題と課題も違うのですが、「社会問題」を辞書で調べると「社会の欠陥や矛盾から生じる諸問題」と出てきます(めっちゃトートロジー)。

この世界の一番の社会課題は、「多くの人が社会課題を何かも決めずに社会課題を解決すべきと言っていること」と言っても過言ではありません。
したがって、本記事は「社会課題」とは何なのかを分りやすくお伝えし、そしてあわよくば真の社会課題の解決を前進させたい、という祈りを込めて書かせていただきました。

事業の目的

前置きが長くなりましたが、まず社会課題の解決についてお話するためには社会起業家について語るのが必要になってきます。社会起業家について語ろうとすると、そもそも”業”とは何なのかという話から始めなくてはいけませんが、業を語り始めるともう誰も読んでくれなくなってしまうので、一旦「事業」に絞って進めたいと思います。

事業の目的とは何でしょうか。儲けること、技術を世に出すこと、顧客の課題を解決すること、色々あると思います。図にするとこんな感じでしょうか。

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全くMECEではない感じがしていますが、ひとまず進めます。TOYOTAとか、Panasonicとか日本が誇る大企業を思い浮かべてみると分かりやすいと思います。お金がなければ運営が難しいし、ノウハウがなければ埋もれてしまうし、それが誰の課題も解決していなかったら求められない。この三要素どれも必要です。ただし、事業のフェーズや目的によって、これらの中で「一番大事にしたいこと」が異なります。これをちょっと覚えておいてください。

社会問題とは何なのか

やっとやってきました、社会問題とは何なのか。前述したように様々な定義がありますし、人々がそれを問題だと言い出したら社会問題だ、という見方もあります(ちなみにそれは構築主義と呼ばれたりします)。分かりやすい例としてよく言われるのが「階級社会」です。昔の人類は王と平民とか、士農工商とか、不平等が当たり前でした。そこで色んな革命を経て、人類は神のもとに皆平等ということが高らかに宣言された。それからは、人が平等でないことは社会問題だと言うようになりました。
この話からわかるように、社会問題とは単に善悪や正義で決まる話ではないのです。

この世界は、多くの人にとって都合が良い前提や合意をもとに進む傾向にあります。たとえば大きなところで言うと、技術発展したら人類が便利になるとか、小さなところで言うと、野菜の流通規格を決めたらみんなが安全で綺麗な野菜を食べられるとか、そういう合意です。ただし、これは多くの人にとって(もしくは力の強い人にとって)都合がいい、もしくは多くの人というくくりにしたら都合がいい、というだけです。つまり「全ての人」や「ひとりひとり」にとってではないので、必ずどこかに割れ目というか、歪みが生まれます。この歪みを、私たちは社会問題としています。

つまり、「社会問題=人類による全体最適の中で生まれた歪み」であり、「社会課題=全体最適の歪みのなかで解決が急がれるもの」なのです。具体例で言うとこんな感じでしょうか。

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ここで鋭い方はきっと、「解決を急がれるもの」ってなんだろう?と思われるかもしれません。これは単に時間軸の話ではなく、「解決をしないと誰かが苦しんだり命を落としたりする状況が深刻化していく」ということを指します。みんなにとって都合がいいので、それを変えるインセンティブが働かない、もしくは動かすのが難しい。だから放っておかれて余計に歪みが深くなりますが、そうすると気付いた時には”みんな”にとっても非常に不都合で取り返しのつかない状況になります。そのため、急いで注目して解決のためのアクションを取らねばならないのです。
ちなみに2015年「国連持続可能な開発サミット」にてSDGsが採択された背景も、「ちゃんと注目してアクションを取っていかないと歪みは深まるばかりだし、このままだと取り返しつかなくなって結局自分たちが困るからヤバイよ」という感じでしたので、上記の社会課題の定義と大きく相違はないかと思われます。

社会課題を事業で解決する人=社会起業家

今までの議論を踏まえた上で、社会起業家とは誰なのかというお話をします。

私たちにとって社会課題を解決する人は、
①「事業の対象者の課題解決が優先順位として最も高く」、
②「その課題が人類の全体最適の歪みにあること」

としています。

これがいわゆる”社会起業家”です。

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あくまで課題解決の優先順位が高いというだけで、売上・利益や技術・ノウハウを追求しないわけではありません。そしてその顧客や事業の目的が、歪みにある必要があります。

ここまで、いかがでしょうか。理解できたという方は完璧ですので、実際に世間で言われている「社会起業家に対する誤解」をこの定義からどうやって解くか、という話をしていきたいと思います。

よくある誤解①社会起業家は儲からない

皆さんが持っているイメージor言われたことのある言葉でダントツで多いのがこれだと思います。

本当に簡単な話ですが、社会課題を解決することと儲かることは対立項ではありません。図にするとこんな感じです。

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ちなみに書いてはみたものの人身売買は思ってるより儲からないそうです。やったことないので分かりませんが。

右上にバイネームで企業名を書くのがなんとなく憚られたのですが、障害者支援をされている上場企業さんだったり、未上場だけど事業規模としては巨な社会起業家集団の会社さんだったりを想像してもらうと良いかと思います(ピンと来ない方はググってください)。

こう見ると対立項がアホらしく見えますが、どうしてそのような議論になるかというと「社会起業家が全体最適の歪みにアクセスしているから」ということに尽きます。
課題の領域にもよりますが、対象者が購買能力が高くない人だったり、対象者の絶対数がめちゃくちゃ少なかったり、そもそも人じゃなくて自然とか動物、みたいなケースがあります。対象者からはあまりお金が集められないので、通常の商売のやり方以上に工夫が必要です。なので彼らは「儲からない」ではなく、「事業領域によっては儲けるための並外れた工夫と努力が必要」という表現が正しいかと思います。でもその工夫が、事業としての競合優位性になったりします。この話は面白いのでまた別記事で気が向いたら語ろうと思います。

右下にあたるところは、その工夫が今の社会の仕組みではどうしても難しかったり、儲ける工夫が課題解決にとって邪魔だったりするジャンルです。
それと近い話ですが、あえて余剰利益を分配しない(配当を出さない)という考え方を取るのがNPOをはじめとする非営利団体です。「儲ける」と「課題解決をする」を両立させようとすると、どうしても課題当事者と関係のないステークホルダーとの約束が生まれたりするので、あえて「分配しないよ」「儲けることが目的じゃないよ」という宣言をすることで課題解決に集中するというイメージです。極端な例ですが、巨大なNPOは寄付だけで年間何千億円も集めるので、営利企業との違いは単純なお金の規模ではないというのをぜひ覚えておいてください。

よくある誤解②社会起業家は感情的で論理がない

これもよくあるやつですね。「綺麗事やアツいことばっかり言ってる」みたいな印象が付きまといがちです。そもそも感情と論理さえも対立項ではないのですが、その話をするとウザくなりそうなので割愛します。

もちろん感情的であることと社会課題解決は相反する要素ではありません。
ただ、なぜそう思われがちかというと、理由は主に2つあります。

ひとつは、課題解決の優先順位が他の何よりも高い状態を維持し続けるには、それほどに課題解決に対しての執着がなくては出来ません。感情的であるかどうかはさておき、熱量が高く、共感を呼ぶ能力が高いことは、多くの社会起業家に共通しています。
その能力ゆえに顧客やファンとの関係性や、組織内の関係性が強くなる傾向にあります。この関係性の強さが、実は事業のユニークさや収益性に繋がる傾向にもあります。

ふたつめに、その領域では旧来のビジネスロジックが通用しないというケースがあります。前項の通り普通の商売の正攻法では目的達成できない場合が多く、特に資本の再生産をする旧来のビジネス手法とは異なる論理が必要となります。そのため、領域に詳しくない人からしてみると論理がわからないように見えるのかもしれません。

本当にロジカルじゃない人がいたとしても、それは組織という形で十分に補完できます。これは社会課題を解決するかどうかに関係なく、どこの会社でもある話だと思います。

共に夜明けへ

以上より、社会課題の解決というのは、難しいけど奥が深く面白くて、カッコよいものだとお分かりいただけたでしょうか。社会課題の解決に対する理解が深まり、あなたの社会課題に対する意思決定の精度が高まる一助となれれば、これ以上の喜びはありません。

そんな社会課題を解決する強くて優しい起業家たちの、プロフェッショナリズムを特集するメディアを運営しています。どの起業家もめちゃくちゃカッコいいのでぜひ遊びに来てくださいね。ここまでお読みいただきありがとうございました。

もしかしたらこのnoteを読んでる方は実際の社会課題の解決に携わっている方が多いかもしれないので、そんな皆様に宣伝というかお誘いです。

talikiという会社は、「誰かの苦しみを取り除きたい」「誰かを笑顔にしたい」という人の尊さと難しさを感じて、もっと資本やリソースが集まるような仕組みが作りたいという考えのもとできた会社です。社会課題を解決する方全員が尊敬する同志であり、もっと何か一緒に出来ることはないか、力になれることはないかと常に考えています。
明けない夜はありません。夜をゆっくりと、しかし確実にこじ開けるような起業家・事業に対して、この度私たちはよりダイナミックな資金的・人的サポートを行うことにいたしました。

あなたが、誰かの夜明けとなる。
そんな方々に出会い、この目で共にご来光を拝めるのを楽しみにしています。ぜひ一緒に作っていきましょう。ご連絡お待ちしております!

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